Reconsideration of the History
41.アメリカからの真の独立〜新・日本国防論 (1998.11.7)

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て、前回のコラム(40."NIPPON"は「アメリカ51番目の州」ではない!!)で、日本がいかに「アメリカの51番目の州」として扱われているかを書いた訳ですが、今回は、日本がいかに「独立した主権国家」として「アメリカの軛(くびき)」から脱却すべきかを書いてみたいと思います。

本が「独立した主権国家」として、アメリカの影響下から脱却するには、どうすれば良いか? まず真っ先にしなくてはならない事、それは、

独自の国防体制構築

と言えます。では、なぜ「独自の国防体制」を構築する必要があるのでしょうか? それは、「日米安保体制」そのものが日本を「壊死」させてしまうからです。

「日米安保体制」そのものが日本を「壊死」させてしまう!! では、なぜその様に断言出来るのか? これを身近な事例を通して、ご説明致しましょう。

あるサラリーマンが脱サラして、喫茶店を開店しました。するとしばらくして、町内のヤ○ザが店へとやって来ました。ヤ○ザは、喫茶店のマスターに、「毎日、安全に営業出来る様に、俺が守ってやる!!」と言いました。マスターは、相手がヤ○ザだった事もあり、「不用意なトラブルは避けたいし・・・ここは、ヤ○ザの言う通りにするか・・・」と、承諾してしまいました。しかし、これが悪夢の始まりだったのです。早速、ヤ○ザはマスターに対して、毎月3万円の「用心棒代」つまりは「みかじめ料」を要求してきました。そして、1年後には、月3万円だった「用心棒代」を月5万円へと値上げし、更に、2年後には、月5万円から月10万円へと値上げしたのです。そして・・・喫茶店は、「ヤ○ザが出入りする店」として客から敬遠され、法外な「用心棒代」が元で、遂には廃業に追い込まれてしまったのです・・・。

皆さんの中には、この「例え話」と、「日米安保体制」がどう関係あるのか?と思われる方もおありでしょう。しかし、これが「大あり」なのです。では、何故そう言えるのか? それは、

アメリカとヤ○ザは同じ様なもの!!

  1. 日本はアメリカに対して、「自国の領土」を「在日米軍基地」の敷地として「タダ」で貸している。(地主に対して支払われている「地代」は「国民の血税」で賄われている
  2. 日本は在日米軍に対して、「国民の血税」を割いて「思いやり予算」なる膨大な「用心棒代」を「上納」している。
  3. 日本は在日米軍に対して、犯罪を犯した米兵が検察による起訴前は身柄を拘束する事が出来ないと言う「不逮捕特権」を与えている。
  4. 日本は在日米軍基地に対して、基地内に日本の公権力が及ばない「治外法権」を与えている。
  5. 日米安保体制の「強化」を目指している「ガイドライン」では、有事の際、日本の民間空港・港湾・輸送手段・通信設備等のインフラや、食料・燃料等の物資を、一時的に米軍下に「接収」可能な様に法制化しようと目論んでいる。

だからなのです。どうでしょう? アメリカは、日本から「土地」をタダで借り受け、「用心棒代」を貰い、「特権」を与えられ、万が一の時には、ほとんど全てを一時的とは言え、「接収」する事が出来るのです。そして、そんなアメリカが『日米安保条約』をカサに「在日米軍基地」を、「日本の防衛」にではなく、「世界におけるアメリカの国益の保護」を目的に機能させていると言う事実!!前回のコラム参照) 程度の差や「毛並み」の違いこそあれ、ヤ○ザと何ら変わらないのです。

れでは日本はどの様な国防体制を構築すれば良いのでしょうか? まず、思い切って、『日米安保条約』を「破棄」する事です。先程も書きましたが、日本は毎年々々、在日米軍に対して膨大な「思いやり予算」を支払っています。しかし、もし『日米安保条約』が無くなったら・・・「思いやり予算」を支払う必要等ありません。その分を純粋な意味での「日本の国防」目的に活用すれば、充分な体制を構築出来る筈です。又、「自国は自国で防衛する」と言うのが「独立主権国家の鉄則」です。

に、憲法を改正し、その地位が玉虫色的な「自衛隊」を、「陸・海・空軍」として明確に位置づけるべきです。よく、「防衛」を「防衛」に、「自衛」を「」に昇格させると、「周辺諸国から警戒・反発される」・「軍国主義復活と受け止められる」等と言う意見が出ますが、それならば、中国(人民解放も韓国(国防も、「軍を持っているから軍国主義」と言う事になるのではないでしょうか? もし、そうであるならば、思考があまりにも短絡的過ぎます。

後に「集団安保体制」を構築する事です。それには、「台湾」を「独立主権国家」として承認し、断絶したままの「国交を回復」させなくてはなりません。日本としては、「中国」は中国、「台湾」は台湾(「中華民国」ではなく)であり、どちらとも国交を持つと言うスタンスが必要だと思います。そして、その上で、日本・「独立」台湾・フィリピンの三ヶ国で集団安保条約(日台比枢軸)を締結し、東シナ海のシーレーン(海上交通路)の安全を確保しなくてはなりません。これは、先の中国による台湾海峡での大規模な軍事演習を持ち出す迄もなく、東シナ海のシーレーンが南シナ海同様、日本の「生命線」だからです(その具体例として、中東からこのルートを通って、石油が運ばれてくる)。もしひとたび、ここで中国と台湾が全面衝突する様な事態になれば、日本は「対岸の火事」として傍観等していられません。だからこそ、紛争を未然に防ぐ為にも、「抑止力」としての「日台比枢軸」による集団安保体制は必要なのです。

         
 
         
      台 湾
    フィリピン

て、色々と書いてきましたが、今回はこの辺でオシマイにしましょう。次回は、続きとして、在日米軍基地に揺れる「沖縄問題」について考えてみたいと思います。


   余談(つれづれ)

朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と嘯(うそぶ)いた「テポドン・ミサイル発射実験」(大浦洞)。たった一発のミサイルに、日本は政府も防衛庁も、上へ下への大騒ぎとなり、「日本の国防」があまりにも「脆弱」である事を図らずも露呈してしまいました。ミサイルが「攻撃目的」での発射でなかった事、「核弾頭」等を搭載していなかった事で、あまり重大に受け止められていない様ですが、問題は非常に切実かつ逼迫していると見るべきです。なぜなら、北朝鮮が先の「ノドン・ミサイル」(労働:イラクのスカッド・ミサイルを改良した物)を上回る性能のミサイルを保有し、日本全土を射程に収めた事。又、核弾頭等持たずとも、ミサイルの攻撃目標を福井・柏崎・東海村等、原発施設にすれば、核攻撃をしたのと同じ結果を出せる(放射能汚染)事です。だからこそ、日本は一刻も早く独自の国防力を整備し、「国家の独立」を存続させなくてはなりません。いざと言う時、『日米安保条約』とアメリカほどあてにならないものはありません(アメリカの国益の為ならば、たとえ同盟国でさえ裏切れる)。最後の最後に一番信用できるのは自分自身(自国)だけなのです。


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